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■Survivart企画展覧会

Emerging Artists Support Program 2006 展覧会企画公募 入選企画
Double Cast(ダブルキャスト)


概要参加作家紹介レポート

Double Cast期間限定の放送局「Double Cast」が、トーキョーワンダーサイト本郷に出現。
本スタジオには、岩井優、田口行弘の二人のアーティストによって制作された撮影セットや事務所が設置され、ここで実際に撮影・編集された映像プログラムは、「Double Cast」特設サイト及び動画共有サイトYouTubeから配信されます。本展は、Webと撮影現場、これら二つのサイトから発信することで、展覧会というものの新たな発信方法と豊かな享受方法について探る試みです。
また、毎週末にはトークイベントを行うほか、期間中は随時二人のアーティストによるパフォーマンス等を開催し、スタジオ自体が生きた交流の場となるよう広く開放します。最新のスタジオプログラムは、特設サイトにて確認することができますので、ふるってご参加・ご観覧ください。

特設サイトURL: http://doublecast.survivart.net

展覧会名:Double Cast(ダブルキャスト)
会場:トーキョーワンダーサイト本郷3F
会期:2007年3月28日(水)〜4月22日(日)
開館時間:11:00-19:00 ◎入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日
入場料:無料(トークイベントは各回500円予約制)

企画・運営:Survivart(サバイバート)
主催:トーキョーワンダーサイト
協力: 大日本印刷株式会社、文京区文京清掃事務所、MUSEUM OF TRAVEL

※オープニングレセプション(参加自由・無料)
会場にて同時開催の3つの展覧会合同のレセプションとなります。
2007年3月28日(水)19:00-21:00

<会場>
トーキョーワンダーサイト本郷
〒113-0033 東京都文京区本郷2-4-16
TEL: 03-5689-5331 / FAX: 03-5689-7501
URL: http://www.tokyo-ws.org

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■参加作家

○岩井優/Masaru Iwai
1975年京都生まれ。東京芸術大学美術科博士課程在籍。
彼の作品は、都市の中に存在する身近な事物をモチーフとし、それらの「機能性」に注目してユニークな解釈を付与し、関わりがないと思われていた事物との間を繋ぐことで、コミュニケーションの可能性を生み出していきます。──ホームレスのブールシートテントとラブホテルを組み合わせる/資源ゴミの回収コンテナを大量に繋げてパーティーを行なう/車を毛糸のニットで改造する。作品は観客に使用・参加を促し、体験することで記憶を定着させていきます。それらの作品によって我々のもつ日常的な物に対する眼差しは、アクティブな使用法へと変換されていきます。
今回、岩井はトーキョーワンダーサイト本郷内に多くの人がアクセス可能な《ミーティングスペース》を設置し、展示空間としてのホワイトキューブから、他者の意見に具体的に触れることができるパブリックスペースへと変化させます。その様子は日々撮影・編集され、Web上に公開されていきます。インスタレーションと映像との組み合わせは、これまで展開されてきたものに対して次の段階を示唆するものとなっています。

○田口行弘/Yukihiro Taguchi
1980年大阪生まれ。東京芸術大学美術学部絵画科卒。2005年よりベルリン在住。
彼は身体性を強調したパフォーマンス、インスタレーションを主にドイツにおいて展開しています。ビニール袋をかぶり道行く人、公園で休んでいる人たちにホースで呼吸を送ってもらう《Gift(英語では贈り物、ドイツ語では毒)》、旧銀行での展示では、床のカーペットを剥がし、持ち上げた《Auf》など。彼の作品によって、息をすることやカーペットといった普段気にもとめないことが異様な出来事として我々の前に現れます。
今回、田口は《Gift》を発展させ、セットを組み合わせた大きなビニール袋を出現させます。膨張・収縮によって変容するインスタレーションは、期間中、実際に鑑賞者も袋の中へ入り、その中で行われる様々なイベントやレクレーションを通して、その空間を体験することができます。その体験は、私達がなにげなく接している物事を浮かび上がらせ、再考を促します。

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■レポート

岩井優のセット
「Bin-Can Meeting」にて
田口行弘のセット
「Gift Set」にて
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トークVol. 1「ネットワークから考える」
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セット全景

CAMP-6[本郷キャンプ]
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ゴルフ

トークVol. 3「広告から考える」

紙ヒコーキ

トークVol. 4「放送から考える」

フルーツバスケット+吸引

生け花

飛び出したスタジオセット

レンタルミーティングスペース使用中

カフェ

屋外撮影(日干し)

・・・

■展覧会成果
日本ではこれまでなかった動画共有サイトと展覧会を繋げるという実験を行うことができた。さらに会期中YouTube関連の時事問題が活発であったため、アクチュアリティのあるものとなった。また作家が毎日滞在することで、作家自身がメディエーターとなり観客と直接対話することができ、アートに対する理解を相互に深める機会を創出することができた。そして作品が体験型のため、来場者がより主体的に作品=展覧会に関わることができた。それらの要素が絡み合い一般的な展覧会に比べ、リピーター率が高かった。さらにアート関連だけではないトーク・イベントを開催したことで、アートに興味のない人にアピールすることができ、各回トークの満足度が9割を超えていた。

■総評
準備期間は十分とはいえなかったが、意欲的な実験を行なうことができた。それはワンダーサイトが今回行なった公募企画の意に沿うものと考える。特に会期中は地方選挙(都政)、バージニア工科大乱射事件など、インターネット上の動画共有サイト(YouTube)と関連して話題になる時事問題が多く、非常に現在性を感じるものになったと考える。また、トークや作家自身がメディエーターになるなど、直接的コミュニケーションの場を作ることに比重をおいたが、結果としてローカルなコミュニケーションも重視したことは、リピーター率向上の上でも効果があったように思う。Survivartとしては、これまでに行ってきたトークイベントや小規模展覧会、イベントなどでの経験値を発揮する場となったことは確かである。ただ、今回のようなコンセプトのもとで今後も展覧会を企画する場合、実験を越え、より完成度の高いものが求められるだろう。それでも今回の展覧会で得られたものはとても大きく、これからの活動のベースとなりうる可能性は大いに感じることができた。

■レビュー
TABlogに橋本誠氏によるレビューが掲載されています。
http://www.tokyoartbeat.com/tablog/entries.ja/2007/04/post_85.html

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▼参加作家の過去作より
iwai01
iwai2
©Masaru Iwai
Love tents 2004 installation
 
iwai03
iwai04
©Masaru Iwai
Car and Nit 2006 installation
 
taguchi01
taguchi02
©Yukihiro Taguchi
Gift 2006 Performance
 
taguchi03
taguchi04
©Yukihiro Taguchi
Auf 2006 installation

<<トークイベント>>
期間中の週末を中心に、会場で行われたトークイベント概要。(各回500円、定員30名、予約制)

Vol. 1
「ネットワークから考える」
3月31日(土)14:30〜16:30
ゲスト:椿昇(アーティスト)+ドミニク・チェン(日本学術振興会外国人特別研究員 [東京大学] )

Vol. 2
「TOKYOから考える」
4月8日(日)17:00〜19:00 ※出演者は変更になる場合がございます。
ゲスト:ウレシカ(PingMag編集長)+オリビエ・テロー、藤高晃右、ポール・バロン(共にTokyo Art Beat)+マイク・クベック(SuperDeluxe)

Vol. 3
「広告から考える」
4月14日(土)17:00〜19:00
ゲスト:池田正昭(コピーライター/エディター)+マエキタミヤコ(コピーライター/クリエイティブ・ディレクター)

Vol. 4
「放送から考える」
4月21日(土)13:00〜15:00
ゲスト:神保哲生(ビデオニュース・ドットコム代表)+中野真紀子(翻訳家)

Vol. 5
「アートから考える」
4月22日(日)16:00〜18:00
ゲスト:小崎哲哉(『REALTOKYO』『ART iT』発行人兼編集長)+住友文彦(東京都現代美術館 学芸員)+福住廉(現代美術評論家/文化研究)

<<コラボ企画>>
CAMP-6[本郷キャンプ]
Double Cast
4月7日(土)16:00〜19:00
ゲスト:Double Cast参加作家 岩井優+田口行弘


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